2022年12月13日(火)・14日(水)『ワ』kayama安西先生SP稽古会

和歌山の橋本あけみさんが主催する『ワ』kayama武学練習会で、今年の6月から始まった安西裕也先生特別稽古会。
今回はその3回目。

今回の参加者は2日間それぞれ4名ずつのトータル5名と、スタッフ3名で、各日安西先生入れて8名ずつで稽古しました。

今回の参加者の得たい成果で初日にでてきたのは、
・前回2回の稽古会でやった聴勁のワークをもう少し落とし込みたい
・ゼロ化をキープする
・そもそもゼロ化って何かを対人の中で落とし込みたい
などでした。

安西先生がそれを受けて最初に話してくれたのは、武術の稽古で大事なこと。
武学には「仕入稽古・体得稽古・活用稽古」の三大稽古があり、仕入れ1%、体得と活用が合わせて99%と言われるくらい、仕入れたものを体得する稽古や日常に活かしていくことが大切。
そして、それは何のためにするか。
人間の悩みや不安は、将来、人間関係、健康、お金の4つに収束するという。
武学の稽古は、
・志/人生の方向性
・人間関係、コミュニケーション
・心身の健康
に直接アプローチできる。
そして、これらがうまくいっていたら、つまり、心身が健康で、将来の目的があり、人間関係が円滑にいっていたら、お金も自然とついてくる。
武学の稽古は、非言語対人。対人稽古がとにかく重要。
10年以上やってきた安西先生がいうには、色んな稽古があるし、○○拳などの面白い體術もいっぱいあるが、色々やってみて思うのは、やはり七要に戻ること。そこができていないと、結局何をやってもできないというくらい七要が大事。
そんな熱い話から、七要と聴勁のワークに入っていきました。


腕を捕まれた状態から、後ろから身体を羽交い締めにされた状態から、複数人から色んなところを捕まれた状態から、七要を整えていくと掴んでいる相手の方へエネルギーが返っていき、なぜか相手が倒れていきます。
これは、相手との関係の中で自身を禊いでいくことです。
エゴが少しでも入ったり、相手を無視して自分だけ整えたりしても、うまくいきません。
相手をきちんと認識し、相手をどうにかしてやろうという気持ちがなくなって初めて相手との調和がうまれ、気がつくと何かしてやろうという相手の力が相手へ返っていくのです。
色んな人と対人稽古することで色んな側面が見えてきます。
相手を無視していた、自分のエゴをおしつけていた、相手から逃げていたなど、自身のコミュニケーションのクセや在り方に気づきます。

ゼロ化とは、相手や周りと調和していくことなのかもしれません。
そうしていくとぶつかりや争いがなくなっていきます。

安西先生が稽古会に来る前日にたまたま出合ったお坊さんが、年齢がいくつになってもあるものは何かという話をされたそうです。
それは「ストレス」なんだそうです。
ストレスは、過度になると健康を害しますが、ちょっとある方が次にいけるというのもあります。
武学の稽古もちょっとだけストレスをかけます。
人によっては加減がわからなかったりするので、ストレスをかけるのも稽古になりますし、かかりすぎているかどうかを相手に伝えることも稽古になります。

ストレスを生み出すものとして物をつかった稽古もしました。
たとえば、マジック。
キャップがあればそんなに反応はでにくいですが、キャップを外した途端に相手の反応が変わります。
それをどちらも体感することで、日常のストレスについての考察になります。
物を使ったストレスの稽古の後は、意念で相手を操作するワークをしました。
意念で操作というと怪しいこと極まりありませんが、ここで重要なのは、思っていることやイメージが空間を飛んで相手へ伝わっているということです。
相手がその場にいなくても伝わる。
普段の自身が無意識に何を考えたり思ったりしているか、日常の自身の在り方が伝わっているということなのです。

それを武学の稽古では対人稽古で確認でき、見直すことができます。

稽古後の弥栄は、和歌山駅の近くの焼き肉のお店へ。
とにかくお肉が多いし美味しい。
美味しいお肉とお酒をつまみに、武学のこと、日常のこと、どう活かしていくかの話が盛り上がります。
お腹も心も満腹な弥栄でした。

2日目は、武学のリアル稽古に初参加の方もおられ、あらためて七要のチェックを丁寧にしてくれました。
1日目にもおっしゃっていましたが、色々あるがこれは外せない、これがずれたら何にもならないと。
そして、七要のチェックは、どんな人でも簡単にできるチェック法であり、このチェック法を考え出してくれた師匠であるリー先生はやはりすごいとも。
七要のチェックは相手がいます。
相手との関係の中で整えます。
コミュニケーションの第一歩であり、大前提です。

対人稽古は、そんな人との関係性の自分の在り方を氣づけ、日常でどうしていくかを見直せます。
この日常とのリンクが大切です。
志を成就するために自分の在り方を見直し、武学をどう生かすかを同志との会話の中でみつけ、実際にやってみてまた見直す。
同志がいるからできることです。
対人稽古ができる同志がいるってありがたいことだとあらためて感じさせていただいた2日間でした。